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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.878

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一語履歴 vol.880
負けてもじっと黙っている         ~米長邦雄
一語履歴 vol.879
世界一になれるかどうかの違い       ~白井一幸
一語履歴 vol.878
自分の会社や仕事を好きになって楽しむ    ~中博
一語履歴 vol.877
現場には仕事と無駄の2つしかないと思え  ~張富士夫(トヨタ生産方式)
一語履歴 vol.876
人を遺す 困難の捉え方 人間の可能性 先義後利 教師の役割
一語履歴 vol.875
千里・万里の彼方 責任と役割 侍ジャパン... 我を亡ぼす者 自分の城
一語履歴 vol.874
勝つために 意識を植えつけろ 生き方 努力の本当の意味 不就学なげかず
一語履歴 vol.873
人・物・金  自分の限界 そんな人間でありたい  不器用の一心 新たな情熱
一語履歴 vol.872
奇跡を起こせる人間 自分の十八番 ビジネスの原点 豊かな人生 人間の進歩
一語履歴 vol.871
方針と遂行 人と生まれては 国家将に 日本人のように 会社が...になる要因

自分の会社や仕事を好きになって楽しむ
          中博(なか・ひろし)

企業を取り巻く環境が激変している中で、日本企業はどのような経営を
目指していけばよいのでしょうか。
松下電器産業(現・パナソニック)で「経営の神様」松下幸之助の薫陶を受け、
現在はその教えを若い世代に伝える活動にも取り組んでいる中博さんは、
幸之助翁を通じて「日本型経営」の真髄を学び取った。

京都大学経済学部を卒業した私が、松下電器産業に入社したのは昭和44年。
ゼミの同期のほとんどが学者の道や官僚、大手銀行に就職をしていく中で、
あえてメーカーを選んだのは、幼少期のある体験があったからでした。

それは小学6年生の大晦日のこと。
音楽が大好きで、紅白歌合戦を聴きたがっていた私に、
父が松下電器の「ナショナル」ブランドのラジオを買ってきてくれたのです。

以来、その感動とともに
松下電器のナショナルが私の脳裏に染みつき、
就職先として魅力を感じていたのでした。

入社式のスピーチで、当時会長だった松下幸之助さんに
初めてお目にかかった時のことは、いまでも忘れられません。
世界に冠たる松下電器なのだから、高度な経営戦略について語るはず、
と期待していたのですが、松下さんは次のように語られたのです。

「君らな、僕の顔をよく見ろよ。 このおっさん、何か面白いな、
 なんか縁があるな、と思ったら、松下電器で頑張ってほしい。
 しかし、何かぱっとせんな、 こんな会社は嫌やなと思ったら、
 明日から来なくていい。
 君らは偉くなりたいやろう。そしたらこの中で誰よりも
 松下電器が好きになったら、偉くなるよ。」

期待していた話が聞けなかった私は正直、
松下さんの言葉がすっと心に入ってきませんでした。
しかも実習で配属されたのは、作業で真っ黒になる乾電池工場。
さらに私一人、当時アメリカ企業と合弁で
開発していたアルカリ電池をつくる、
掘っ立て小屋のような実験工場で実習することとなったのです。
格好いい背広姿の大学の同期のことを思うにつけ、
私は松下電器に入ったことを後悔しました。

しかし、中卒・高卒で入社した年下の上司(ほとんど女性)とともに、
現場の工場でともに汗を流し、呑みに行ったりした体験は、
ものづくりの喜びを知る原点となりました。

そして驚いたのは、誰もが松下電器の社員であることに誇りを持ち、
いつも笑顔で仕事が辛いと言う人が一人もいないことでした。
また、勤務後も侃々諤々(かんかんがくがく)の
議論を交わし、現場から様々な提案が次々と出てくるのです。
これには本当に感動しました。

実習後は、思いがけず会社全体の経営戦略を練る本社企画室に配属。
幸之助さんのお話には戦略的なことはあまり出てきませんが、
本社企画室では経済の動向から時事問題の分析、
各事業部のコンサルティングといった、
〝超〟がつくほど合理的な仕事に従事しました。
心の部分と合理的な戦略が一体になっているのが、
松下電器の強さだということを実感させられました。

そして、もう1つ松下電器で感心させられたのが、
「任せて、任せず」の人材教育が徹底されていたことです。
そのような社風の中で、事業部ごとに
家電に使う色が違っていたのをすべて統一したり、
音響機器ブランド「テクニクス」の創設に取り組んだりと、
好きなことに思う存分挑戦させていただきました。

さらに30代の若さで、関西経済連合会に出向となり、
後に住友信託副会長となる堀切民喜氏など、
錚々たる方々と仕事をする機会にも恵まれました。

やはり、自分の会社や仕事を好きになって、楽しむことこそが、
成功するための一番の近道であるというのが私の実感です。
幸之助さんがスピーチでおっしゃったことは間違っていなかったのです。

2025.05.02

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