一語履歴
凡事徹底 鍵山秀三郎(イエローハット創業者) 私は昭和36年10月にこの会社を創業しました。 創業といっても、本当にボロ自転車一台で、自転車の行商から始まりました。 商品もない、 場所もない、電話もない、何もないので、ひたすら行商で歩いて、 歩いた先でものを売るようにしようと思いました。 しかもメーカーさんは、私が前に勤めていた会社から いろいろな圧力がかかっているために、私が行っても誰も商品を売ってくれない。 私がお願いすると、いつならいいから来いといわれて、自転車で麴町から 荻窪のほうまで行ったり、葛飾の先のほうまで行ったりしましたが、 「さっきまで待っていたけど、 用があったから出かけてしまった」とか、 「もう帰ってくるはずだけど、連絡がないからわからない」 と言われて、 すごすごと肩を落として帰りました。 そのとき、私が「約束が違うじゃないか」と声を張り上げたりしたら、 今日の私どもの会社はなかったと思うのですが、これは事情があって 私に商品は売りたくないんだなと思い、いずれまたそういう時があったら お願いしますということで、すごすごと引き下がってきたのです。 けれども、引き下がっただけでは仕事になりません。 どういうことをしたかというと、メーカーさんが売れなくて、倉庫に積んで ホコリをかぶっている商品を私が借りては売るということを続けてきたわけです。 それが日の目を見て、ヒット商品につながったこともありました。 よその会社でだれも扱わなかった商品を、私一人が取り上げて、一生懸命自転車に 積んで売り歩いて、30年を過ぎた今日もまだ続いている商品が一つだけあります。 それは、リングカバーというハンドルにつける丸いカバーです。 昭和36年11月から今日に至るまで、これだけ世の中が変わる中で、30年以上にわたって 一つの商品を売り続けるというのは大変なことですが、そういうことが起きております。 しかも、この商品が翌年の37年は、月に何万本と売れるようになって、 これが私の会社が成長していくもとになりました。 ですから、 人が見捨てたり、見逃したり、見過ごしたりしているものの中に宝の山があり、 自分が見捨てたり、見逃したりしている宝の山を他の人が拾っているということです。 こういったところに目をつけると、そんなに目を血走らして、 鉢巻きを締めて歯を食いしばって仕事をしなくても、 仕事はもっとおだやかに、やっていけるのではないかと思うわけです。 自分の環境を掘り下げる |
2026.10.10 |
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